幕開け…

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青い空 白い雲… そしてそこに映える夕日のように赤い光… その光はサイレンと共に住宅街の民家の前に停まる すると、後ろのトランクが開き、中からストレッチャーと担架を車から出し、 担架を持って家に入っていった… 家の中には中学生だろうか 1人の少年が横たわって倒れていた… 隊員は、担架に少年をのせると慎重に家から運び出す その間にもう1人の隊員は通報者に状況経過を聞く… 通報者によると、この少年の名前は 斉藤貴士。 この少年の家にはいつも両親は不在で少年一人しかいなかったという。 そのため、通報者がちょこちょこ少年の身の回りの世話をするために少年の家に行っていたという。 今日も、身の回りの世話をするために家に行くとリビングに横たわる少年がいたので最初は「軽い冗談か」と思い、少年を揺するが反応がなかったため119番通報したと言うことだった。 少年は車内で血圧、心電図、体温を計り、 「バイタル良好。意識レベル300。」 意識レベルとは正式名JCSといい、数値が高くなるにつれて意識が無いことを示す。300は最大値で危篤状態を示す。 隊員はPHSを取り出すと電話を掛け、 「中央病院確認よし!」 と運転をする隊員にいうと その隊員は 「右よし!左よし!中央病院搬送開始!」 と再びサイレンを鳴らしスピードを上げる。 おそらく、10分もあれば到着するだろう。 隊員は少年の口に酸素マスクを被せる。 変わらず少年の意識は戻らず、顔は真っ青だ。 1分置きに血圧を計り、隊員が医師に報告するための記録を作っていた。
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