優しき悪幹の苦労な日々

悪と幹部と私

「ぐぎゃああああ！！」

目の前で、ついさっきまで威勢よく戦っていた仲間が断末魔をあげる。それは、我々にとって潮時であることを意味していた。

「くっ、なかなかやるなエコレンジャー……今日のところは大人しく引き下がらせてもらおう。

だがな、次はないと思えよ！」

捨て台詞を吐いてから、逃走時に使用する煙幕を投げる。視界を一時的に遮って、その場から正に消えるように撤退した。

「逃げ足だけは早いやつだ……ジェノサイドデスサウザーめ！しかし俺たちがいる限り、平和とエコを妨げることはさせんぞ！」

悪役達が姿を消した後で、『３Ｒ戦隊エコレンジャー』の面々は、それぞれの決意を胸に拳を強く握った。

彼らこそ、巷ではチビッコに大人気のヒーローなのだ。フルフェイスのマスクには“ＥＣ”と太目の黒字がど真ん中で存在感をアピールする。５人組の彼らの配色は、赤、青、緑、黄色、桃色で、各々が特有の武器を所有している。

『地球の平和とエコは俺たちに任せろ！』がキャッチフレーズで、日夜悪の組織、『廃棄物不法処理団』と戦う、正真正銘の正義の味方である。