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「私達はどんなに力を持とうが、最後には倒されるのが宿命……なら、その被害を最小に抑える最善を尽くすことが、私の使命のような気がしてならないのだよ」
口につけたカップを一気に傾ける。まだほんのり温かみのある液体が、喉を通るのがよくわかった。
「局長は気負いすぎなんですよ。私達怪人は表に出た時点で、命など半分捨てているようなものです。
それを助けようとしているのですから……このままだと局長が先に過労で倒れてしまいますよ」
その時はよろしく頼むよと秘書に冗談めかしく言ってから、デスクに備え付けられたパソコンで、次の指令書に目を通す。
毎度のことながら、本部は無茶な計画を立てるものだと、思わず苦笑がもれてしまった。
悪の組織にも、色々な階級が存在する。表立って行動を起こすのは、私達のような末端の支部であるが、その実、私達の行う行動を決めるのは『本部』と呼ばれる上層部の連中だ。
末端の私達の状況など、彼らにとってはあまり関心がないのだろう……無茶苦茶な指令が下ってくるのも日常茶飯事だったりする。
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