シカトしないで

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「あ。」 ふわふわした頭が視界の下にでてきた。 前が見えなかったのか、軽く僕の胸に当たった。 「う、す、すみませ…」 僕の顔をみていうのをやめた。 なんで? …酷くない? 「ラ、ラトビア。」 「…。」 …シカト? 本格的に嫌われているような気がして、悲しくなっていると、ラトビアが静かに口を開いた。 「…すみませんでした。」 「え。」 今更? え、遅くない? みとれてた…とか? って、僕はナルシストか。 「では。」 するりと僕の横を通り抜けようとした彼を、思わず止めてしまう。 しまった。 ラトビアが不信感を抱いた視線をむけてくる。 普段はあんなにビクビクして、かわいいのに。 なんで僕にだけこんなに冷たいんだろう…。 みんなみたことないよね、こんなラトビア。 あ、そういうふうに考えると、僕だけ特別扱いみたいにも― 「何か用ですか?用が無いなら離して下さい。」 心無しか冷たい声で言われてしまう。 うぅ、嫌われてるなぁ。 僕なんかした? 「あー…いや、なんでもない。」 「なんでもないなら止めないで下さい。忙しいんですから。」 いっそMになってしまえば楽だろうか…。 目覚めちゃおうか。 行ってしまった小さな背中を眺めていると、また誰かにぶつかった。 今度はリトアニア。 ホントに俯いてばっかりだなぁ。 さっきみたいにぶつかった人の顔を見上げてから、さっきとは異なって、オドオドペコペコと謝っていた。 うーん、流石にこの態度の違いを目の当たりにすると傷つく。 更にニコニコお話しなんてしちゃってさ。 泣いちゃおうかな…。
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