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「あー!怖かったんだぞ!」
でもヒーローだからとかなんとか、騒ぎ続けるアメリカを横目に、日本は新しいお茶を準備するために立った。
が、不意に腕を掴まれた。
「…なんですか、アメリカさん。」
アメリカは少し何かいいたげだったが、すぐに笑って
「アイスが食べたいんだぞ!」
と、お願いするというよりも、持ってくるのが当然だというようにいった。
わかりました、とにこやかに答え、若干苛立ちながら冷蔵庫に向かう。
本当に、迷惑な人だ。
いつだってわがまま。
でも、
私は逆らえない。
私は負けたのだ。
いや、あの日死んでしまったといってもいい。
あの日から、私は彼のいうことを聞くしかないのだ。
「はい、どうぞ。」
頼まれたアイスを差し出す。
が、彼が掴んだのは、アイスではなかった。
「なっ…!」
振り払う暇もなく、唇が強引に押し付けられる。
相変わらず、突拍子もないことをする若者だ。
「やっ…!」
突き飛ばし、睨みつける。
アメリカは悲しそうな顔で見つめてくる。
イライラする。
「…何するんですか。」
口を拭いながら、さらに軽蔑の視線を向ける。
「なぁ、日本。」
悲しそうに、真剣に彼は紡いだ。
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