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お姫さまはなんとかライオンを追い払いたいと思って言いました。
「私はお父さまが迎えに来るまで、おとなしくここで待っていると約束しました。ですから、お父さまがいらっしゃるまで、ここから出ませんわ!」
ライオンは答えました。
「コーデリア姫、聞いてください。王さまは戦争で足にケガをしてしまい、今、私のお城で休んでいらっしゃいます。お妃さまも王さまに付き添ってらっしゃるので、2人ともここには来られないのです。だから代わりに私にあなたを迎えに行くようおっしゃったのです」
お姫さまは王さまのことが心配になりましたが、ライオンの話をすっかり信じることはできなかったので、こうたずねました。
「聞き慣れない声ですが、あなたはいったい誰なのです?」
ライオンは少し恥ずかしそうな声で答えました。
「お会いするのは初めてですね。私は、南の国の王子です」
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