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ってな訳で俺がここにいる理由なのだ。
昨日も二人に無理矢理連れられて買い物に行き、危うく女物の洋服を買わされそうになった。
いくら娘がいないからって、何故男の俺に女物を着せたがるのかがわからないよ。
もし、俺が女装好きの変態になっちゃったら親としては複雑にならないんだろうか…。
「これからの生活を楽しんで来るかな!」
新たな生活を考えると不安はあるけれど、雅樹さんの学校だからきっと楽しい筈だから少しわくわくする!
友達100人いや1000人作ってみせるぜ!
…っと意気込んでみたけど、見る限り門には電話など付いておらず、増してはインターホンもなかった。唯一あるのは防犯用のカメラが6台設置されていた。
ここから見て2台があからさまに設置され、他の4台は上手くカムフラージュしてあった。
故意によってカメラを破壊されても、他の4台で録画をするという感じかな。
流石お金持ち学園。セキュリティーは万全だね。
そう考えると、俺がここに来て10分以上いるのに関わらず、なんのアクションも起こらないところをみると、雅樹さんめ、この状況を楽しんでるな。
ホント姉弟揃っていい性格してるよね。
仕事面では父さんに負けず劣らずやり手なのに、母さんに似て性格が欠点だらけ。
多分普通に待ったって、門を開けてくれない…。
俺は一番死角であるカメラに向かって中指を立てた後、数歩後ろに下がってから、風をきるように走っていき、目の前の門を飛び越えた。
ここで母さんに叩きこまされた忍者訓練が役に立った。
…ネーミングセンスはほっといてくれ。
いつものように唐突に閃く母さんが『ヒカルちゃん!昔日本は忍者の人がいたのよ。だったら同じ日本人のヒカルちゃんなら忍者になれるわっ!ママも手伝うから平成の忍者になりましょう!…クナイはこうかしら?ええいっ☆』っと本物のクナイを俺目掛けて投げてきましたからね。
ええいっ☆って、可愛く言ってもやってる行為は殺人未遂だからねっ!
クナイを見ると顔スレスレで道場の壁に刺さっていた。
そんで俺の制止なんか聞かないで今度はどこからとりだしたのか、日本刀で攻撃してきた。
この状況で俺にどうしろとっおぉぉぉーー!!
あれなのか!ヤらないとヤられる!的なのか?
俺は咄嗟にクナイを引き抜いてガードした。
それから死に物狂いで習得したさ。
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