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佐伯学園は野球で名の知れている高校だ。
推薦で行った者が1名、その他は受験を受け入学したはずだ。
「………そういえば…緒方もこの高校だったっけ」
緒方(おがた)は、中学のクラスメイトで、以前は嫌々同士だったが
卒業する頃には普通に話す事ができた奴だ。
嫌いじゃない。
でも
会いたいとは
思わない。
美羽や優が生きていたら
会いたいと思ったのかもしれないけれど…
「……いい…天気だな…」
独り言を言いながら、飲み終わったペットボトルを近くにあったゴミ箱へ入れ、
ゴミ箱の横にある、木製のベンチに腰かけた。
ふぅ……
小さく息を漏らし、青い空に顔を向けた。
雲が一つたりとも見えない…
少し薄い青空が広がり、飛行機が飛んでいる。
ちょっと低い位置に目をやると小鳥がちゅんちゅん…
さらに低い位置に目をやると沖田葵の視線がジィー…
ん?
沖田葵?
「っ!;びくったー;」
葵『…けっこうずっといたけど。大袈裟~』
そう笑いながら言うと、俺の隣に腰掛けた。
葵『ねぇ、』
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