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俺がそう問うと、
沖田葵は顔を空の方に向けて、口を開いた。
葵『……梨乃、私が大樹好きなの知ってるんだ。』
「……」
葵『…なのに、何で付き合ったんだろうって…さ、それに大樹が好きなら好きだったと言って欲しかったし…』
何で付き合ったんだろう
あぁ、あの時優は
沖田葵と同じ心境だったのだろうか?
俺と美羽が付き合ってると告げた時。
この様な、心境だったのだろうか?
「……うん」
葵『…付き合ったのがどんな理由とか、そういうのは梨乃に問い詰める気はないけど』
葵『梨乃からちゃんと、聞きたかった。友達なら言えるじゃん?普通』
「……友達でも………言えなかったんだろ」
葵『………え?』
そう、
言えなかった。
俺が美羽を好きだった時も、優には言えなかった。
美羽の嘘に乗った状態で美羽が好きだと優に言ったことはあったけれど、
本当の事は
言えなかった。
「………友達だからって、何でもかんでも言えるもんじゃない。」
葵『でも!これくらいの事は…』
「……何か…言い難い理由があったんじゃん?…てか、それがどうかしたの?」
葵『…いや…ちょっと、誰かに聞いてほしくて?ハハ…』
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