・動き出す心

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だから、恋だけは したくないのに、 よりによって、何故俺はいつもいつも 友達の好きな奴を 好きになってしまうのだろう? 何で、こんな苦く苦しい想いをしてしまうのだろう? 「てか、冬樹はさ…恋人とかいる?」 冬『…"いた"…よ』 過去形…。 「別れたとか?」 冬『…自然…消滅?みたいな…ハハ…』 「…そっか」 ふいに見えた冬樹は、とても寂しげな顔をしていた。 冬『……俺の…ダチも彼女の事好きでさ、でもそのダチ、彼女を好きなの言ってくれなかったんだ』 「………」 冬『そいつ俺がいないときに彼女に告ったんだ。振られた後に、彼女にそいつから告られたって聞いて、そいつに言った"何で好きなの言ってくれなかった?"って…』 何で言ってくれなかった? 冬『そしたらそいつ、"友情関係壊したくなかった"だってさ!笑っちまうよな…だってさ、バカだよ』 「なんで?」 冬『だって、好きな人かぶったからって友情が壊れるとかさ』 「……」 冬『結局、その程度の友情だったって事だろ?』 本当の友情なら その程度じゃ、壊れない。 冬樹の言っている一つ一つの言葉が 俺の心に 重たく のしかかった。 ・
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