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冬樹『なんだ…知り合い?』
「………中学の、同級生」
まさか本当に会ってしまうなんて…
合宿来る前から、会ってしまったらどうしようと思っていたけど…
会って…しまった…。
緒方は土手を転ばないようにか、ゆっくりと下り、顔がはっきりとわかる所まできた。
しかし俺も緒方も口を開かない。
冬樹はその空気を悟ったのかこの場を離れて行った。
こいつ…何も変わらないな…中学のまま高校生に上がった感じだ…。
長くもなく、短くもない黒髪をワックスで整え、眉毛は生えてんだか生えてないんだか…;
本当に変わらない。
それに比べ、向こうは俺を見てどう思っただろう。
だらし無く伸びてた黒髪は今や髪は長いもののスッキリとし茶髪だ。
黒縁メガネくらいじゃないか?唯一中学から同じモノは…
緒方『…久しぶりだな!』
暫くの沈黙を破ったのは緒方の方だった。
「あぁ、久しぶり。」
緒方『俺の高校の奴に聞いた、合宿来てんだってな』
「あぁ、つまらない合宿だよ。朝からゴミ拾いなんだから」
緒方『…髪……』
髪?
あぁ…やっぱり何か思ったか…
「……髪がどうした?」
緒方『染めたのな。黒髪の頃のがお前らしいけど、そっちのが似合うかもな』
黒髪のが、俺らしい…か
「緒方はずっと黒髪だよな」
緒方『私立だからな;』
なるほどね…
緒方『……もう、大丈夫なのか?姫(美羽)と優也のこと…』
…はぁ……
聞かれちった…
だから…
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