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そして中学は転校。
転入した中学で、葵と大樹に出会った。
葵は転入してきた私に1番先に声をかけてきてくれた。知らない人ばかりの学校に通うことに不安だらけだった私は葵に救われた。
葵とは結構話も合い、すぐに親友と呼べる存在になった。
そんな葵には、好きな人がいた。それが野島大樹
私は葵に応援すると言い、相談にも乗ってた。
でも、そんな日常と同時に父親からの命令は多かった。
成績は常に上位にいろ
夜家を出るのは禁止
恋愛などと現(うつつ)を抜かすな。
会社のパーティーなどには必ず参加しなさい。
だから私は遊んでる暇もなく、勉強の山だった。
おかげで成績は常に指3本に入るほど。
でもまだ学生である私にとってそれはきつい日常だ。けれど恋愛に悩んでる葵にそんな家庭のことを相談できはしなかった。
そして、1度だけ
テストの順位が一気に下がった時があった。
もちろん、父には怒られ、そして…殴られた。
私は学校の教室で、放課後1人泣いていた。
するとそこに、野島大樹が現れたんだ。
大樹『あれ?梨乃ちゃん?って!大丈夫?!』
泣いている私に気付いた彼は私の近くに駆け寄るとしゃがんで私を見上げた。
私は大樹に軽く話をした。
家での、辛いこと。
結婚しなくちゃならないこと。
まったく自由になれないことを…
大樹は静かに聞いてくれた。そして私を優しく包み込んでくれたんだ。
大樹『…結婚…断れないのか?』
梨乃『……うん…。無理だよ…』
大樹『じゃあさ、好きな人とかはいないの?』
梨乃『……だって、恋しても一生叶わないもの…』
結婚しなくちゃならないから。一生叶うことなく、終わるんだ。
大樹『……じゃあ、結婚するまででいい。するまででいいから…』
俺と、付き合って下さい…
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