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そして自動販売機のある体育館裏。そこには誰もいなかった。
静かだ。
もう5月も終わりか・・・
最近はほのぼのと暖かい陽気だ。
ブレザーも暑いと感じる。
明『陸は飲まないん?』
「あー・・お茶でも買うかなぁ~」
明のいる元へ近づいていくと、自動販売機の奥の方に見覚えのある後頭部が見えた。
あ・・・こんな所に
いたのか―…。
明『陸?買わないのか?』
「あー買う買う。あ、明先戻ってていいよ。」
明『?あぁ、わかった。』
明が去ってから、お金を入れると
お茶と、ココアを買った。
ココアは、嫌いだろうか?
――――――――――――
Side~梨乃~
話声が聞こえる。
誰か来た・・・
泣いてるの見られたくない
そう思った私はなるべく音を出さない様にして、少し身を小さくした。
?『買わないのか?』
?「あー買う買う。あ、明先戻ってていいよ。」
?『?あぁ、わかった。』
あ、この声知ってる人だ。
確かクラスの・・夏原くん。
それと、山西くんだろう。
はぁ―・・・
それよりも、今回のテストだ。父に何て言おう…
点数も順位も、終わってしまったものはもうやり直せない。やり直せたらいいのに・・・・
あぁ、また涙が出てくる。
たったこのくらいの事で泣く私は、弱いのだろうか
私は鼻を啜り、涙を止めようとした。
その時、温かいものが私の頬に触れた。
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