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放課後、
私は文化祭準備をせずに帰る事にした。
鞄に教科書を入れ、下駄箱へと向かった。
そして、下駄箱につき、上履きを脱いだ時だ。
?「……岡本…?」
あ……
梨乃『……山西くん…』
ドクンッ――…
胸が鳴る。
どうしよう…
ドクンドクン―…
もう、胸が鳴りすぎ…
うるさいくらいに。
「今日はもう帰るんだ?」
梨乃『……う…ん…中間の結果悪くて…親に、怒られて…、文化祭後の期末はいい点とらなきゃだから。家、帰って勉強するんだ。』
ヤバっ
聞かれてないことまで答えてしまった;
「…大変そうだな…岡本」
梨乃『……まぁ…うん。』
「じゃあな」
梨乃『…うん、ばいばい』
山西は片手を軽く上げ、廊下を歩いていった。
ドクンドクン―…
まだ、なってる。
私はそっと自分の胸に手を当てた。
大樹が、他の女の子に目をやり、私の苦しみに気付かないなら
私も別に、この
うるさくなる心臓を
否定しなくていいよね?
ね?……――山西くん。
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