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その日、家に帰ると
大樹からメールが届いていた。
―――――――――
明日どうしても
聞きたい事がある。
明日の朝8時に
2Fの一番奥の
空き教室で待ってる。
大樹
~END~
―――――――――
絵文字、ない……。
梨乃『……明日…朝…、8時…か。』
私は携帯を机の上に置き、勉強をした。
――――――――――――
―翌日―
ガラガラガラ―…
空き教室のドアを開ける。
中にはもうすでに、見慣れた大樹の後ろ姿があった。
ベランダの方を向き、机に寄り掛かっていた。
梨乃『………』
大樹『………』
大樹はゆっくり体と顔をこちらに向けた。
大樹『……おはよ。久しぶり…。』
梨乃『………おはよう。』
挨拶を交わすものの、しばらくの間、沈黙が続いた。
沈黙を破ったのは向こう。
大樹『……あのさ、聞きたいこと…なんだけど…』
梨乃『……うん…何?』
大樹『……何で、こないだいきなり俺とは"もう無理"とか言ったの…?』
もう無理とか言ったの…?
梨乃『……大樹は、私を、私だけを見てくれていないから。』
大樹『は?俺十分見てるじゃん。俺梨乃の事すげー好きじゃん…』
大樹は眉間にシワを寄せてそう言う。
梨乃『…ねぇ、だいき …
大樹『だいたいよっ!梨乃!お前はどうなんだよ?!一分たりとも俺の事好きになってくれたかよ?!なってないだろ?それなのに自分ばかり求めるとかズリーよ!』
梨乃『……うん。…そうだね。』
そう、私はズルイ。
梨乃『私はズルイんだよ。すごく…』
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