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Side~陸~
1限目が終わり、携帯を開くと大樹からメールが届いていた。
「………"別れた"…か。」
画面を見つめ
書かれている文字を呟く。
正直、嬉しい気持ちも
可哀相だなという気持ちも
1㍉も沸かなかった。
携帯を握ったまま、クラスメートに気付かれないように
隣に座っている岡本に目をやった。
「………」
そして携帯に目を戻す。
………ん?
続きがある――?
画面をカチカチと下に送る。
長い空白の後にはこう書かれていた。
――――――
件名:無題
―――――――
別れた。
:
:
:
お前梨乃に何か
した?
~END~
――――――――
「………意味…わからないな、こいつ。バカだろ…」
大樹、お前
人を信じる事
できないのか?
まあ、俺も心から信じたりしたことはないけど、
大樹、俺お前ら2人の事詳しく知らないけど
お前、自分ばかりが被害者だとでも思っているのか?
自分ばかり、被害者だと
「………」
そういえばだ。
中3のあの頃、
俺は
自分ばかり被害者だと思っていたのかもしれない。
何だかほんの前の自分がヘタレすぎて嫌になる。
今もし、中3の頃の自分に会えるならば、
殴ってやりたい。
お前はバカだ。
間違えていると―…。
嘘つきで最低だと。
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