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もっと他に、道があったはずだろう?…―と。
――――――――――――
Side~沖田葵~
葵『……梨乃、単刀直入に聞くね。』
梨乃『うん。何?』
現在昼休み。
場所、屋上。
私はやっと決心がつき、梨乃を呼び出したのだ。
葵『何で、何で大樹と付き合ってる事話してくれなかったの?』
梨乃『………』
葵『………答えて?』
梨乃『……言い出せなかったの…ごめんなさい。』
葵『…理由、それだけ?』
梨乃は私の問いに、
首を縦に振った。
葵『………大樹の事、好きなの?』
私はさらに疑問であることを聞いた。
すると どうだろう。
梨乃はしばらくの沈黙の後、首を横に振ったのだ。
葵『は?梨乃、好きでもないのに付き合ってるの?!意味わかんない!!』
梨乃『……違うよ、葵…』
違うって、何が…?
梨乃『…もう、野島君とは別れたから。』
別れた…
…嘘……
葵『……いつ?なんで?』
梨乃『今朝。理由は…』
葵『………』
梨乃『…言えない。』
葵『………』
梨乃『……ごめんね、葵が好きなの知っていて付き合ったりしちゃって…』
ごめんね……?
軽すぎだよ梨乃。
そんなんで、許してもらえるとでも思ったの?
裏切って
隠れて付き合って
それで半年しないで
別れて、
今さら"ごめんね"?
葵『……梨乃の付き合う人は、私が決めることじゃないから。そこに文句は言えない。でもっ!友達である私に内緒だったって…どうよ?』
ねぇ、梨乃。
どうよ?
梨乃『………ごめん。』
葵『………最悪だったよ。大樹と梨乃が付き合ってるって聞いた時。梨乃は…特別な友達だと思ってたのにさ…ショックだった。何で私に知らせてくれなかったのかって、悲しかった。』
梨乃『……うん。私にとっても特別だった。……だからこそ、言えなかったの。仲が、壊れてしまいそうで…。』
ねぇ梨乃、
壊れてしまいそうで…って
もう、壊れたよ。
私は今はもう、
梨乃を親友とは呼べない。
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