・君の温もり

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一人ぼっち………。 今の岡本は、まったくもって、俺と同じだ。 幼なじみで友である優も死に、初恋である美羽も死んで、一人ぼっちの俺と。 だから俺は岡本から目を余計離せなかったのか…? きっと今の岡本は、 誰かに必要とされたがっている。必要としたがっている。誰かに… この場には、俺しかいないぞ…岡本。 一人ぼっちの、俺しか。 「………岡本」 梨乃『……っズ…?』 「………あのさ、一人ぼっちなのは、お前だけじゃないから…」 梨乃『……ぇ?』 「………俺もだから…でも、岡本は今、一人ぼっちじゃない。」 梨乃『…』 「 俺がいる。」 赤い夕日が差し込む教室で、岡本は涙をとめ、 俺にあの笑顔を向けた。 あぁ、やはり俺は 君に、恋をしている―…。 何故なら、静かな教室で聞こえてしまうのではないのかってくらいに 自分の胸が音を鳴らしているのだから。 俺は、岡本梨乃。 …―君に恋をした―。 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ ・
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