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『わかったわ、待ってるわね。』
電話を切り、自室の窓から外を見下ろす。
実家のある町とは違う、建物に敷き詰められた風景に
目を向けることのできないほど照り付ける太陽。
約3ヶ月ぶりになるのだろうか…。実家に帰るのは…
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その頃、俺達の知らぬところで、運命の歯車は
既にまわり始めていた。
――――
――――――
ある町に建つ、ごく普通の一軒家に
その人物は来ていた。
?『千代さん、単刀直入に言うわ。』
千代『何かしら、美和子さん。』
その家からは30代後半くらいの女性2人の会話が聞こえる。
美和子『お宅の、陸くんのことよ。』
千代『……』
美和子と呼ばれた女性がそう発しると、千代という女性は顔つきを変え、美和子を睨みつけた。
美和子『そんな怖い顔しないで下さいよ…。千代さん。』
千代『…ダメです!陸は私の息子です!』
美和子『お願いだわ!一生のお願いよ千代さん!!』
千代『………』
美和子『…………跡取りがいないのよ、うち。』
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