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美和子『陸くん、貴方将来の夢とかあったかしら』
将来の夢・・・?
陸「…いえ。」
美和子『……よかったわ…。あのね、陸くんも知っての通り、私には子供がいないわ。美羽もいない。』
陸「………」
美和子『うちの会社がかなりの大手企業になったのはご存知よね』
陸「はい。」
美和子『それでね、いきなりで本当に申し訳ないんだけど…』
俺はだいたい、美和子おばさんが言う内容がわかった。
美和子『うちの……………………跡取りになってほしいのよ…』
やはり。的中だ。
「美和子おばさん、僕はまだ高校1年生です。」
美和子『知っているわ。ただ、高校卒業までは跡取りの契約だけでいいの。卒業したら正式に次期社長になってもらうわ。』
「何故、僕なんです?養子を引き取ればよろしいのでは?というか…お袋、何でまたこんな話を聴き入れたんだよ?」
俺は疑問をお袋に投げかけた。すると代わりに、美和子おばさんが話だした。
美和子『千代さんも、承認済みよ?』
千代『………』
お袋は俺から罰の悪そうに目をそらし、やや下に視線を落とした。
「…………は?」
俺は美和子おばさんの台詞を聞くと、当然、目を見開く。
俺のこの反応は、もっとも普通な反応だと思う。
「なんで?……跡取り……って…俺を養子として他の人に譲るって事じゃねーかよ?!」
俯くお袋に、俺は少し声を張って言った。
なんで急に…
千代『…そのほうが…いいと思って…』
「…は?じゃあ俺の意見はどーなるんだよ?」
千代『………ごめんなさい、陸…』
「跡取りになって…どーしろって言うんだよ…」
何だか意味わからなくなってきた…
美和子『陸くんには、結婚してもらうわ。正直に言う。企業のためよ』
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