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もう、美羽はいない
¨り~くっ!¨
¨人は死んだら何になると思う?星だよ¨
¨お願い…聞いてくれる?¨
¨私、星になりたい¨
¨お守りっ¨
俺の脳裏には、あの頃の美羽の顔や言葉が次々と出てくる。自然に泣きたくなってしまう。そして、美羽と同時に 優の顔も…
大樹『おーい?陸?』
俺は自分の顔の前で手をパタパタさせている大樹によって我にかえった。
「あ…あぁ、何?」
大樹『どうかしたの?』
「…いや、ちょっと疲れてるから…。」
大樹『……ふーん…』
大樹は¨本当かよ¨と言わんばかりの顔で俺を見てきた。
そして、それから2、3分だった。
1人の女が犬を連れて俺達の方へ寄ってくる。
俺はその人の顔を見て……いや、雰囲気だ。
雰囲気を見て、怒りがきた。あいつに似ていた。
美羽を追い詰めた…あいつ。¨外川由香¨に。
顔は全然違う。背丈も、髪型も。全然違うのに…
何処かが、似ている雰囲気を出していた。
しかし俺は気付かれないよう、平然を装い、無表情で名前だけの自己紹介を簡単にすました。
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