第4章・操られるがままに

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美和子おばさんが帰り、俺とお袋が残された空気は かなり堅苦しく、重い空気になっていた。 「なぁ…お袋…」 千代『………』 「……断って、このまま今まで通りの生活はできない。……それくらい、俺もわかる。」 千代『……』 お袋はずっと下を向いたままだ。 「……それに…俺には、将来の夢とかはない。あんな大企業の跡取りになれるなんて、信じられないくらいイイ事だよ…。」 千代『……』 「………今晩、考えておくよ…」 千代『…………ごめんなさい…ごめんなさいね…』 ――――――… ――――… ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ Side~梨乃~ パーティーも終了し、私は帰宅途中の車の中で 今日、父に言われたことを思い出す。 ”7月下旬” 婚約候補の方とお会いすると言われた。 私は何故、”嫌”と素直に言うことができないのだろう。 何故、いつも断るということをしないのだろう。 父を恐れる自分に、 未来を諦める自分に 何だか無性に、腹が立つ。 大人に歯向かえず、ゆくままの時に身を任せて 自分の意志を無視して だから私はいつも、 運命を、変えることができないんだ。 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆・
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