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私は手の平の皮が剥けるんじゃないかってくらい、爪を押し付けるように拳を握りしめた。
この子が誰だか知らないけど、この子がどんな子かしらないけれど…
葵『……―――ふっざけんなっっ!!』
私は、この子は嫌いだ。
私は、この子を許せない。
『えっ~?アハハハ』
ヘラヘラして、
気味が悪い。
ホラー映画じゃないんだから、そんな不気味なことしないでよ。
葵『……―っ』
私は彼女の胸倉を掴み、睨みつけながらこう言った。
葵『お前、絶対許さねぇーから。』
低く、自分でもびっくりするぐらい怖い声で。
私は彼女を離すと、
近くの病院まで、走った。
どうか、大樹が無事でありますように――…
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
そしてその頃…
Side~陸~
「はぁー…来週からまた学校か…」
俺は神奈川にもどり、学校の終わっていない課題をやっていた。
「よしっ…あとこの作文だけ………って…」
何なんだ…
このふざけた小学生みたいな作文の課題は…
生徒をバカにして
いるのか?
作文のテーマ
"将来の、夢"
思わず目が点になったわ…
「………将来の…夢…か」
ふざけた作文のテーマだ…
俺はシャーペンをカチカチと芯を出し握りしめた。……が
「………ちっ…」
案外、難しいテーマだな…
将来の夢はない。
夢じゃないのなら、将来は美和子おばさんの会社の跡取りってくらいか…
「……どーするかな……」
今はまだ書けないな…
「やーめたやめた!この作文はまた今度書こ…」
時計の針を見ると、時刻は夕方の5時をまわっていた。
久々にちゃんとした夕飯でも作るかな…
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