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葵は私の前を早足で通り過ぎた。
その葵の姿を見た時に、あの時の事を思い出した。
あの時、屋上で。
葵は確かに
こう言った。
※167ページ参照
葵『梨乃の事…信じてたのに…。梨乃となら、ずっと親友でいれると思ってたけど…、違ったみたい。』
…………。
¨もう、親友じゃない¨
その言葉が、頭の中を過ぎった。
今になって、後悔ばかりが押し寄せる。
何故、こんなことになってしまったの?
梨乃『…………自業自得……か…』
『…お嬢様?行きますよ』
梨乃『あ、はい。』
さっきの葵との間にあった空気が、とても苦しかったのを覚えた。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
Side~葵~
葵『大樹……』
大樹『……葵……』
看護婦さんに教えてもらった大樹の病室につくと、布団に横になった大樹がいた。
葵『………――っ―…』
大樹『……なんで―…』
葵『よかっ……よかったぁー…・・』
大樹『……葵…』
葵『…死んでなくて…よかった……。』
本当に…よかった……。
気が付くと私は、涙を流していた。
大樹『……葵―…
……―ありがとう』
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
Side~20歳の陸~
その時俺達はまだ、たったの15歳で
その場その時、正しい道ばかりにはなかなか進めず
いつも外れた道を選んでいた。
出会い
すれ違い
別れ、
出会い、
そしてまた
……すれ違う。
そうやって皆、大人になっていくんだ。
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