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明『抱いて捨てた女に刺されたらしい。んでその女ってのが、野島のクラスメートの…何だっけ…えーと…あ!横澤めぐ!って奴でさ、そいつ今警察で事情聴取されてるらしいよ』
「………あの……バカ」
何してんだよ、大樹。
女で遊んで刺されても、文句言えねーよ。
もうバカとしか言いようがない。
俺は人を掻き分けて、大樹の教室に入った。
そこには、車椅子に座る大樹の姿があった。
………――え?
「……大樹…」
大樹『……陸……』
「車椅子って………」
すると大樹は、少し笑いながら言った。
大樹『もう、歩けなくなるかもしんねー…ハハ…』
その大樹の言葉に、
その教室では、一瞬静寂がきた後、一気にザワつきが起きた。
「………バスケ…は?」
大樹『……無理…かもな』
「………」
大樹『………』
「……お前は………ほんとにバカだ。」
大樹『…………あぁ。』
俺は静かに教室を出た。
きっと今、アイツ…大樹は、かなりショックを受けている。
バスケのためにこの高校に入り、そしてかなりバスケ好き。
それを、一時の自分の間違った選択のせいで
夢や支えやら何もかもを、失う。
自業自得にしろ、ショックなものは……ショックだろう。
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