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自分の、好きな子が死んでしまった。
私なら絶対に、忘れられないし、立ち直れないだろう。
山西君もきっと
一生忘れられない。
そしてきっと今も
苦しんでいる。
彼女とは、何があり、どんな一時だったのか。
私は、山西君の過去を知らない。けれど、山西君の事をもっと知りたいと思ってしまうのだ。
"もっと知りたい"。きっとこれはとても自然な考えで、誰でも経験したことのある事だろう。
好きな人の事を、もっと知りたい。
けれど、知らなくていいこともあるんだね。
………まさか運命の歯車が、こんなハズレかたをするなんて
Side~17歳の梨乃~
私が、"結婚したくない"
なんて言っていなければ
山西君は私から離れて行かなかったかもしれない。
おとなしく、運命に身を任せておけばよかったのだ。
ねぇ、山西君…
……何故、学校でも私を避けるの?
べつに親の前だけでいいじゃない。
何故?
私を、嫌いだから?
あの時ちゃんと、"山西君が好き"と伝えるべきだったの?
………山西くん。
山西くんは、今も…
美羽ちゃんって子が………好きなの?
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Side~陸~
翌日の放課後。
俺はある人に、電話をかけた。
>>はい、桜田です。
「あ、もしもしこんにちは、美知子おばさん。山西です。山西陸です。」
>>あら、どうしたの?珍しい。
「……ちょっと聞きたいことがあって。」
>>いいわよ。何?
「…僕の縁談相手の会社って、どちらですか?」
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