792人が本棚に入れています
本棚に追加
そして数分後。
SH(ショートホームルーム)のため、担任が教室に入ってきた。
先生『えー…皆さんおはよう。欠席は…いないみたいね。』
それからしばらく、先生の話が続き、SHは終了…
先生『あ、山西君はこの後私のところに来なさい。』
「…?…はい」
何だ?
明『お前なんかしたの?』
「………さぁ…」
明『……さぁ…って;』
――――――――――――
SHが終わり、担任の元へと向かった。
先生『そこ座って』
「………」
俺は言われた通り、とりあえずそこにあったパイプイスに腰掛けた。
先生『山西君、これはどういう事?』
…――バサッ
俺の膝の上に乗せられたものは、作文用紙。
それも、文字一つもないキレイな作文用紙。
「…あ……」
先生『"…あ…"じゃないわよ。みんなちゃんと書いてるのよ?あなたぐらいよ白紙で提出したのは。』
「……」
先生『将来の夢くらいあるでしょ?』
「……ない…ですね…」
俺のその返答に、先生はため息をつき、他の人が書いたであろう作文を見せてきた。
「………」
将来の夢
岡本梨乃
私の将来の夢は、好きな人との、幸せな家庭をつくることです。
私は将来、親の決めた相手の人と結婚します。けれど、正直凄く嫌です。何故なら、私はその相手のことを知らないし、好きなわけでもない。相手側も私を知らない。そんなの、おかしいことだと、私は思います。……
:
:
:
「………」
先生『…岡本さんは、可哀相だと思うわ。親の決めた人との結婚。最初それ読んだときは、びっくりしたわ。まだ、高校一年生なのに……。』
まだ、高校一年生なのに
そう、俺達はまだ
高校一年生なのだ。
先生『それでもちゃんと、他の女の子と同じような夢を持っているのよね…』
「……他の女の子と、同じような夢?」
先生『そのくらいの年頃の女の子の夢はね、退廷は"好きな人のお嫁さんになること"なのよ。』
.
最初のコメントを投稿しよう!