第5章・ジュリエット

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―――――――――――― 先生『はい皆さん、静かにしてー!今から12月…えっと、あと2週間後にある2学期末テストの範囲表を配るからね』 生徒『まぢかよもうテストかよー;やってらんねー』 生徒『先生~、やっぱ範囲広いんですか?』 生徒『やだな~…』 先生がテスト範囲表を配るなか、クラス内ではため息や愚痴が聞こえる。 私もその1人だ。 ため息しかでない。 ………いい結果… …出さなきゃ……。 私はふと、山西くんの方を見た。 いいなあー… 山西くんは。 カッコイイし、勉強もできて。それでいて、優しいし運動もまあまあできる。おまけに桜田財団の後継ぎ。 山西くんが、うらやましい こんないい人、滅多にいないだろうなあ~…。 ただやはり、 完璧な人っていうのは いないわけで。 山西くんと話していると たまに ちょっとクールすぎるなあ~とか、優しいんだけどたまにちょっと冷たいんだよな~とか。 思う時がある。 でも、意外と可愛いところもあるし、意外と子供じみた冗談を言ったりしてる時もある。 でも一番感じるのは "この人は、私のことをどう思っているのだろう" "周りの男友達をどう思っているのだろう" 山西くんにはやはり、今だに少し壁を感じる。 他人に見せたくない過去とかじゃなく、 自分の感情を抑え閉じ込める壁。 ああ、山西くんは 優しいのか? 山西くんは、自分を優先しようとしない。 いつも、他人の事情ばかりを…他人の願いや、気持ちばかりを優先しているように見える  いつか山西くんが、本当に限界になってしまう気がしてならない。 梨乃『……――あ』 「……………。」 梨乃『―――……』 山西くんと目が合ったが、すぐにそらされてしまった。 なんだか 悲しくて、苦しいよ 山西くん……… 山西くんと、話がしたい 他愛のない 話を―――…。
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