・君という幻

3/19

792人が本棚に入れています
本棚に追加
/244ページ
梨乃は中学3年の時に、私と大樹の通っている学校に転校してきた。 梨乃は私のクラスになり、窓側一番後ろの席が梨乃になった。私はその席の前で…すぐに仲良くなった。 梨乃は小さくて、フワフワってしてて…くりくりの目。梨乃の様な女の子になれたらなぁ、とずっと思っていた。いや、今も。 当然、梨乃も大樹同様、モテる。 私は中学の頃、梨乃にこう言った『梨乃は可愛いから…大樹、梨乃好きになっちゃうかも…』 梨『そんなことないよ!だって私、野島君と話した事ないし。葵、野島君と凄く仲良いじゃん!』 『でもなぁ~…』 梨『大丈夫!私は葵の事応援してるからっ。葵、頑張ってよ?』 ………………… …………… 梨乃。 いつから大樹が好きだったのかな… それとも、別に大樹の事好きじゃない…? でも梨乃は… 好きでもない人と付き合ったりしない。 じゃあ… 私が一人で浮かれてたの? 勝手に…一人で大樹見てキャーキャー騒いで… 何か私…… 馬鹿みたいじゃん… 梨乃…何で話してくれなかったの…? この時の私は、自分だけが可哀相なんだと私は馬鹿な事を思っていた。 ・
/244ページ

最初のコメントを投稿しよう!

792人が本棚に入れています
本棚に追加