・君という幻

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☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ >>>ガチャッ―― 「……ただいまー…」 …って…誰もいないんだっけ; 俺の部屋はアパートの2階にあり、一番奥の部屋で、左隣りは大学生が住んでいる。 俺は暗い部屋に明かりを付けた。 「片付け…やらなきゃだな。あ、カーテン先に付けなきゃ」 そして着々と残りの荷物を片付けていく。 1時間ほどたって、時計の針が9時を指していた。 「あとはこれだけ…か…」 そう言い、俺が手にしたもの。 写真たて。 写真の中には、まだ幼かった3人が写っていた。 美羽に、優に、俺。 目を反らしたくてここに来たのにな…何持ってきてんだ俺…。 「…ま…いいか。別に忘れたくてここに来たわけじゃないしな…写真くらい…いいか。」 俺は写真たてを机の上に乗せた。 そして数秒見て、個室を後にした。 個室の机の上にある写真たてを そっと伏せて… ・
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