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それなのに…
深く関わりたくないのに…
神様はやはり、残酷なんだ
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やや薄汚れた校舎内。
白い壁は所々黒く汚れ、水道の蛇口の近くは水垢が目立つ。
そして、普段は騒がしく足音や声の響き渡る長い長い廊下。
そこに1人の足音が静かに響く。
廊下の少し開いた窓から吹き注ぐ心地よい風が、その人物の茶色い長すぎでもなく短くもない髪を揺らす。
その前髪の間から覗く、黒い縁の眼鏡。
少し緩く着られた男子生徒の制服…。少年は無表情に歩く。
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Side~陸~
学校はすでに人があまりいなかった。
俺は議長会議に出席しなくちゃならなくてすっかり遅くなってしまった。
「………はぁ…疲れた」
独り言を言っていると、下駄箱の前に人影が見えた。
誰だ?………他のクラスの議長さんかな…
しかし
その人影は
?『……山西君…』
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