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りの『じゃあ、大樹の所行くから。また明日ね!』
「………あぁ…」
聞こえるかわからないくらいの声で返事をした。
彼女はそれを聞き取れたのか聞いていなかったのか知らないが、
間を空け、ここの下駄箱から小走りで走り去る。
俺の横を通り過ぎるときに香る、甘い香り。
美羽とはまた違った、香りだった。
五月蝿い、心臓……。
「………っくそ!」
>>>ガンッッッ―――!
俺の右足が下駄箱を蹴り、五月蝿い音が響くと一瞬、五月蝿い心臓が聞こえずに済んだ。
「………っ………っはぁ…………何なんだよ…」
「………胸糞わりぃ…」
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