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Side~梨乃~
山西くんの歌は
本当に温かかった。
嘘じゃなく。本当に…
それに何故だろう…
久しぶりに感じた、この感覚。
彼の顔を見ると、周りからの拍手やら何やらで照れているのか
右の口角が少し上がって頬が少し赤らんでいるのがわかった。
それにほんの少しだけど、微かに笑っていた。
無表情な人かと思っていたけれど
何だ…ちゃんと、笑えるんじゃん…
少し照れ臭そうな表情を見せる山西くんは
いつもより輝いて見えた。
彼を見ると、けっこうカッコイイなと思えた。
鼻筋が綺麗で
少し切れ長な感じの目。
まつ毛…意外に長いし…
肌も黒すぎなく白すぎない。それなのに綺麗で
首筋は
どの高校男子よりも
大人びた色気?を漂せていた。
ほんの少し、見入るだけで吸い込まれるかってくらい
整った顔立ちをしていた。
そして何故私はこんなにも
彼に見とれてるの?
そして何故、
¨岡本さんには関係ないこと¨と言われて、もの凄く落ち込んでいるの?
何故か…
わかっていた。
この 感覚が
感情が
何なのかを。
本当は、わかっていたんだ
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