・揺れる想い

16/19
前へ
/244ページ
次へ
Side~梨乃~ 山西くんの歌は 本当に温かかった。 嘘じゃなく。本当に… それに何故だろう… 久しぶりに感じた、この感覚。 彼の顔を見ると、周りからの拍手やら何やらで照れているのか 右の口角が少し上がって頬が少し赤らんでいるのがわかった。 それにほんの少しだけど、微かに笑っていた。 無表情な人かと思っていたけれど 何だ…ちゃんと、笑えるんじゃん… 少し照れ臭そうな表情を見せる山西くんは いつもより輝いて見えた。 彼を見ると、けっこうカッコイイなと思えた。 鼻筋が綺麗で 少し切れ長な感じの目。 まつ毛…意外に長いし… 肌も黒すぎなく白すぎない。それなのに綺麗で 首筋は どの高校男子よりも 大人びた色気?を漂せていた。 ほんの少し、見入るだけで吸い込まれるかってくらい 整った顔立ちをしていた。 そして何故私はこんなにも 彼に見とれてるの? そして何故、 ¨岡本さんには関係ないこと¨と言われて、もの凄く落ち込んでいるの? 何故か… わかっていた。 この 感覚が    感情が 何なのかを。 本当は、わかっていたんだ ・
/244ページ

最初のコメントを投稿しよう!

792人が本棚に入れています
本棚に追加