アムールの街

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2009年4月─ 20年前から怪盗が現れなくなったアムールの街。 捕まったからではない。突如現れなくなったのだ。今までも、突如現れなくなったかと思うと、何年かして新しい怪盗が街を騒がしていた。怪盗にも世代交代があるようだ。 長年、怪盗一族を追い続けている警察にも世代交代はあった。しかし、最後に見たのは20年前。 警視庁長官の孫、フレスコは未だ見ぬ怪盗に胸を高鳴らせていた。今度現れたら、必ず自分が捕まえると豪語して回っているくらいだ。 「いつか絶対捕まえる!!」フレスコがそう意気込んだ瞬間、頭に激痛がはしった。 「─ってぇ~。何しやがんだっ」 そう言って、振り向くとそこには可愛い少女が立っていた。 「ティ…ティエルノ!!」 フレスコは後退りする。ティエルノと呼ばれる少女は、呆れた…というような顔でフレスコを見ていた。 「フレスコ…あんた、まだそんな事言ってるの?!もう20年怪盗なんて出てないじゃない。バッカみたい。」
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