アムールの街

4/7
2人が本棚に入れています
本棚に追加
/7ページ
ノビオとは、フランス語で花婿を指すのだが、ノビオ先生と呼ばれる男は独身で女性っ気の全くないタイプだ。外見はボサボサ頭と伸びっぱなしの髭のおかげで老けて見られるがまだ30歳である。 「ティエルノ君。元気なのは良いが、始業のベルは聞こえなかったのかね?」 ティエルノは黙ってうつむく。 (嫌なヤツに捕まっちゃったなぁ…) 返答のないティエルノに、ノビオ先生はイラつきだす。 「聞こえなかったのかね?始業ベルは聞こえなかったのかね、と聞いたんだが?」
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!