姉貴と高校

10/13
前へ
/83ページ
次へ
「さて全員並んだな、今から会場である体育館に向かう、式中はもちろんだが、移動中も私語は慎むようにしろ」 先生が列の先頭でそういって、クルリと前を向いて歩き始めた。 さてこれが終われば今日は帰れるんだっけな……そういえば、姉貴役員だって言ってたな、役員の姉貴はどんな感じなのだろうか? 少し歩くと体育館に着いた、流石私学だと思い知らされる広さと、綺麗さだ、そして今、前の組の最後の方の生徒が丁度出て行ったようだ。 「さて今から入場だ、男女ペアで歩いてもらう、ちゃんと合わせるように」 そういって、先生はスタスタと会場内を歩き始めた。 俺の隣の女子に声でもかけるか…… 「よろしく」 「あぅ……宜しくです……!」 「何で赤くなってるんだ?緊張してんの?」 「いや……その、君がかっこいいから……」 「ん、なんていった? よく聞こえなかったぞ?」 「い、良いの! 何でもないから」 変な奴だな、お! 俺たちの番みたいだな。 「よし行こうか」 「うん……」 彼女と俺は歩き出した。
/83ページ

最初のコメントを投稿しよう!

395人が本棚に入れています
本棚に追加