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「あ! いっけなぁ~い!」
家を出て少ししてから姉貴が思い出したようにに言った。
「実は私生徒会の役員やってるの!」
「初耳なんだが」
「言うのを忘れちゃってたの」
姉貴は語尾に音符が付きそうな感じでそう言った。
「いや、明るく言っていいことじゃあないだろ姉貴」
全くなんて姉貴だ、泣き虫に+でドジっ娘スキルまで完備とは、まさにギャルゲスペックではないか……すまん自重する。
「ごめんね誠……というわけで少し早く行かないといけないの、一人で学校行ってもらってもいいかな?」
「仕方ないさ、一人で行けるから行っていいよ」
「ありがとう! じゃあ学校で会おうね誠!」
「おう、姉貴も頑張って!」
俺がそう言うと、姉貴はとてとてと走っていってしまった。
「せっかく姉貴と一緒に行けそうだったのに……」
あ、本音が……まぁ、ぐちぐち言っていてもしょうがないので、俺は学校までの平淡で坂道も無い道を今度は一人で歩き出した。
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