~ 1 ~ お客様

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仁『実は杏に頼みたい事があってな…。』 杏『……まぁ、聞くだけなら…』 そう言って、杏は仁達の話を聞いた。 柘『実は私は“桜魔学園”という学校の理事長を勤めています。』 杏『“桜魔学園”ってあの超がつく金持ち校?!』 杏は驚きの声を上げた。 柘『そうです。その学園です。 そして杏ちゃんが言う様に『ちょっとストップ!』 突然、杏が柘の話を遮った。 柘『あの…?何か?』 杏『すみませんけど、私の事は“杏”か“七瀬”にして下さい。 杏ちゃん…ってどっかのお兄ちゃんみたいだから;』 柘『ハハハ!気を付けるよ。 でね…、七瀬が言った通り桜魔学園には金持ちのご子息が一杯いるんだ。 その為みんな我が儘でやりほうだい、先生の言うことも聞かないしまつなんだ…;』 仁『だから、昔からの知り合いである俺の所に来たんだよ。』 杏『もっと他にいい人いなかったんですか?私の父は見て分かるように保育士ですよ?』 仁は顔をムッ、とさせ、柘は困りながら言った。 柘『もう、35人も躾役として学園に連れていったんですけど…;』 仁『駄目だった訳だ。』 柘は『はい…;』と言い、杏はふーんと言って、静かに言った。 杏『じゃぁ、父さん頑張れ!!!』
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