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そして開かれる屋上の扉。
「こうなるしか無かったのかな」
「……もう私たちには何も言えないよ。これは桜井クンが決めたことだから」
竜さんもあゆさんも私がいることに気づいてないみたいです。
「そうだよね」
……このままだと私も話を聞くことになっちゃうんじゃ……
ガコン
と重い音をたてて開くドア
「あ、来た」
「どうした?ヒロに呼ばれて来たんだが……」
「特に用は無いんだ」
誰も私に気づかないまま会話が始まる。
でも、最後に聞いておきたかった彼の声。
「なら何故屋上に?教室でも大丈夫じゃないのか?」
「細かい話。聞かれたいの?俺たち以外の人たちに?」
「西野との関係について、か?狙いは」
……彼はもう私のことをミホとは呼んでくれないようだった。
「まぁ……そんなところよ」
あゆさんの言葉に彼は一瞬嫌そうな声を出した後答える。
「で?何を聞きたい?何でも答えてやるよ」
「何でも?そう。じゃあ何でミホちゃんと別れちゃったわけ?」
あゆさんは強気にその質問を彼にぶつけた。
「それは……にし……」
「キョウ。俺達には嘘は通じないからな。ま、つかないと思うけどね」
竜さんはキョウさんの言葉を遮り、一言くぎをさした。
「分かった。俺の本心全部話す。嘘偽りない本心を」
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