悲しみの中で

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「……少しくらいは気を使ってください。デリカシーが無い人は嫌いです」 第一私の名前を知ってるくせに自分が名乗らないというのはおかしいです。 もう話す気にもなりません。 「そうか、いや僕は君を怒らせるつもりは無かったんだ。あっそうだ、僕は真田幸人(さなだゆきひと)。よろしく」 「……」 彼は私の言いたいことに気づいたのか自己紹介をした。しかし、彼の胡散臭さはぬけなかった。 「まぁ初めてだから仕方ないか。ちょっとずつ慣れていってよ」 そこで彼の話が終わり…… 「……え~という訳です。皆さん休み中に何も起こさないように。以上」 校長先生の話も同時に終了した。 まぁ……良い暇つぶしになりましたかね。そこだけは胡散臭い彼に感謝です。 ……休み前の集会なんて長いのは校長先生の話だけ。その後は軽く流して、集会は終わった。 「……真田幸人さん。彼は一体何者なんでしょうか」 私の興味は彼にあったが、決して良い意味ではなかった。
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