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「そういえば、今頃はキョウさん達のクラスは何かやってるんでしたっけ」
竜さんとあゆさんが言っていた。「一日もらったから送別会やるんだ」って。
その為に勿論集会には出ていなかった。
「……会うなら今日が最後、ですね。でも……竜さん達に伝えて欲しいことは言いましたし……」
私の頭に浮かんでくるのは、彼のこと。彼と過ごした日々。理性で押さえようとしても無駄なことだった。
一つ一つ何かが思い出される度に、涙が零れ落ちる。
「……少し、一人になりたい」
私はこの時間なら誰も来ないであろう屋上に向かった。
私には少し重いドアを開け、屋上に足を踏み入れる。
案の定誰もいなく、ホッとした。
それでも更に誰にも見つからなさそうな場所を見つけてしゃがみ、顔を埋める。
この後もまだHRが残っている。だけど、そんな事はどうでも良かった。
今はただ、彼のことを思って思いっきり泣きたかった。
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