悲しみの中で

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とにかく様々な事を思い返した。 出会った時の事、デートに行った時の事、自分の勘違いで彼を傷つけた事、そして…… 「約束……守ってくれるんですよね……」 いつも制服の内側に隠し持っていた、今はネックレス状になっている指輪。 ――もっとちゃんとしたの後でやるから―― 片時だって忘れたことは無かった。この指輪に込められた約束。 「……ぐすっ……きょ……うさん……」 大粒の涙が零れ落ちる。 声を上げて泣こうとした……が。 「……来るかな……」 「うん……来るよ」 人が来る。誰も来ないはずなのに。 「でも……この声は……くすん」 「キョウ……ちゃんと聞いてくれるよな……」 「ミホちゃんの想い、私達がちゃんと伝えないと」 竜さんとあゆさんだった。 「……タイミングが悪いです。私」 二人の会話からこれからキョウさんに私の想いを伝えようとしていることは分かった。
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