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幸子はため息をついた。
「どうして人は恋愛しなければならないの?結婚しない人は負けなの?私は今のままで充分幸せなのに」
「そんなブラウン管の中の男に恋して幸せなんて、絶対おかしいわよ。セックスも知らない人生なんて。今は一人で生きていけるかもしれないけど、年取ったらどうするの」
「早死にするからいい」
「―…バカ」
理恵は一歳になる息子を見た。
母親の顔だ。
こんな理恵の顔を見ると、幸子はどうすれば良いのかわからなくなる。
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