苦手な結婚式

7/9
前へ
/166ページ
次へ
「どうぞ」 いつの間にか、幸子の前にビールが置かれている。 さっきの披露宴で声をかけてきた銀行員が隣に座ってきた。 「―あ、あの、私飲めないんで」 「へえ、そうなんだ。じゃあ、こっちか」 ウーロン茶を渡してくれた。 幸子は人前で酒は飲まないようにしている。 「―あ、す、すみません…」 口の中でモゴモゴ呟いているのを聞こえたのか聞こえてないのか、彼はすぐに会話を続ける。 「何だか無理矢理連れてこさせちゃって、迷惑だったよね」 「―あ、いえ…」 「そんなこと、ありませんよ~」 弥生が割り込んで来てくれた。
/166ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1884人が本棚に入れています
本棚に追加