3章 返り討ち

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刃と刃が噛み合い火花が生じた。 刃は噛み合わさったままギリギリと互いに押し合うが、キアが振り払うように押し返すと、それはいとも簡単に後ろへと飛び去り、また構え直す。 キアもいつ攻撃されてもいいようにと、剣を強く握り直すと、敵の動きを見極めるように睨み付けた。 スピードは速いほうだがそれでも見極められないというわけではない。 それに、力はそんなにない方だ。 ただ問題をあげれば敵の武器が短剣だということ。 まあ、それも懐に入れなければ問題ないが。 勝てない相手ではない。 (動きさえ押さえ込めば一気にかたがつく……!) 先に動いたのは敵の方だった。 短剣の先をキアの心臓にピタリと定め、真っ直ぐ突っ込んでくる。 それに後退もせず、待ち構えるように剣の柄を両手で握り締める。 歩幅がそんなに広くない分速さでキアとの間合いを詰め、後一歩で懐に入れる所だったが、それまで待ち構えていたキアがその一歩を踏み出し、両手に握られた剣を下から掬い上げるように一閃を放った。 その力に押され、敵の手から短剣が離れ、宙を描くように飛んでいくとキアの後ろに突き刺さった。 それは小さく舌打ちすると、すぐに後ろへと飛び去り後退する。 が、キアは一瞬の隙も与えずその長い足で一気に間合いを詰めると、殺さない程度に剣の柄でみぞおちに一発入れた。 ドスッ 鈍い音がキアの耳に届く。 (入ったッ……!) それは、確かな手応えが感じられた。 しかし――――――――。
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