3章 返り討ち

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「………クッ!」 数本の短剣がキアを襲いかかってきた。 何本かの髪を犠牲に、キアは何とかそれらを避ける。 その際に剣を大振りに振るったが、フードの裾を切っただけで避けられてしまった。 キアは慌てて後ろへと後退し、片膝を地面につく。 その時になって、ようやく頬にも切り傷を負っていたことに気が付いた。 頬から流れる血が顎をつたってゆき、地面に滴り落ちていく。 敵はゆっくりと立ち上がり、切り開かれたフードの垣間見えるイエローダイヤの瞳が、キアを睨み付けた。 「……暗器か」 忌々しそうに呟くキアは、内心で盛大な舌打ちをした。 (厄介だな……。暗器となると一体何処に隠しているか分かんないからな……) それは腰を落とし、いつでも第2波を放たれるように構えをとる。 その両手の指の間には全部に短剣を挟んでいる。 (仕方ない、か……) ゆっくり立ち上がり、攻撃に備えて剣を手前に両手で構える。 足を開いて重心をとり、しっかりと地面を踏み締めた。 妙な構えにそれは訝しげに目を細めた。 キアはそれを嘲笑うようかに口角を吊り上げ、口を開いた。 「知ってるか?」
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