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エピローグ
それから月日が流れて、私は遊と同い年になった。
残念ながら他の子とは一年遅れて高校生になった。
私は、遊を忘れないで居た。
この目や、この命や、この幸せを、
ずっとずっと感謝するため。
命があって、
手足があって、
耳が聞こえて、
目が見えて、
味覚があって。
触れて、
見えて、
聴いて、
感じて。
頭のなかの車椅子の少年。
筋肉がどんどん動かなくなっていった恐怖に耐え抜いたと信じたい。
私は、あのクマと一緒に幸せをもらった。
そしてあのクマは今でも私の部屋の置かれている。
「ななみー!」
私を呼ぶ、愛しい声が聞こえた。
貴方に生きて出会え、
貴方を見て、
貴方を聞いて、
貴方に触れて、
貴方を感じる。
私は今、
幸せの色を自分に塗っている。
。
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