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色々聞かされたがもう一度整理しよう。
・・・つまり、コイツの用心棒としての活動内容は。
~其の一~
毎日ひと気のない場所を巡回しカツアゲ出来そうなポイントがないか探索する。(見つけたらノートに書くこと)
~其の二~
カツアゲ現場を目撃したら無事終わるまで見守ろう。
~其の三~
カツアゲを終え財布の中身がホッカホカの奴に声をかける。最寄のポイントまでソイツを誘導し、根こそぎカツアゲする。
(乱入はしない事。罪のないカツアゲ被害者に返してと頼まれたら困るから。)
~其の四~
やむを得ず乱入しないと行けない時。例えばカツアゲ被害者が思いのほか抵抗し、カツアゲする側が諦めかける時がある。そんな時は即乱入。カツアゲ加害者をシバいて現金回収。被害者からも用心棒の報酬を頂く。(相手に断る権利なし)
~其の五~
人数がたくさんいる場合。強そうな奴がカツアゲしてる場合は諦める。(仕事って楽しくやるもんじゃん)
「其の六は今出来たわ。カツアゲする側が倒された場合は倒れてる隙に・・・。」
「喧嘩売ってるのか?」
あまりの馬鹿らしさに冷静な口調で言った。
「まぁ。落ち着けや。」
あぁ。おかげで落ち着いている。
「にしても兄ちゃん男前やなぁ~。下手な女より綺麗な顔しとるわ。黒いサラッサラヘアーやし。」
何が言いたい。
「お前を活動に誘うんは辞めや。」
意味がわからない。
大体どこが用心棒の活動なんだ?
お前がカツアゲしてる側じゃないか。
其の四ですらまともじゃない。
誘われても断る。
俺が附に落ちなかった事。
こんな場所に何しに来たのか?
こんな馬鹿話になるとは思わなかったが、とにかく解決した。
もう聞く事はない。
今度こそ・・・帰る。そう思ったがまたアイツが喋る。
「まぁ俺の為に、もーちょい頑張ってぇなぁ~。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・時間稼ぎ❤」
そう言い残し一目散に走りだす。
黒人ランナーのような、たくましい身体つきで、あっという間に姿を消した。
時間稼ぎ?何の事だ。あんなに慌てて。
全く理解出来ない奴だった
そんな事を思った次の瞬間。
突如、後頭部に激痛が走る。
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