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「ぐぅ!!。」
頭を抱え、フラついた足取りで振り返ると、さっきの奴らが起き上がっていた。
一人の右手には鉄パイプがあり、どうやらそれで殴られたらしい。
時間を稼ぐ?
そういう事か。
殴られた所から血が流れているのがわかる。頬から顎まで血が流れ、地面へ滴り落ちる。
地面が揺れる。
あんな奴に構うんじゃ無かった。
殺した訳じゃない。気絶していたが、意識を取り戻し、反撃の機会を与えるには十分過ぎる時間だった。
あの訳のわからない話のせいで、完全にこっちを忘れていた。
自分に腹がたつ。
二人は落ちている自分達の財布に気付く。そして拾い上げ中身を確認する。
「金返せ。コラー!」
鉄パイプを握りしめた男が俺に叫んだ。
・・・俺じゃない。
そう思ったが、いま一つ視点が定まっていない俺は避ける術もなく、そのまま顔を殴られた。
たいした拳ではないが、俺はとりあえず倒れる事にした。
どうする?
とりあえず気を失ったフリでもしてみるか。
それにしても、怒りが込み上げてくる。
そういえばアイツも同じ制服だったな。
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