142人が本棚に入れています
本棚に追加
「何だ?お前。」
思わず相手にしてしまった。こんな奴無視しても良かったのだが。
関西弁で話し掛けられると虫酸が走る。
俺は関西弁が嫌いだ。
「おぉ~。二人合わせて二万ちょいか。まぁまぁやな。」
そう言いながらソイツは金をポケットに入れ俺の横を通り過ぎて行く。
妙にイラついた。
呼び止める気は無かったが、無意識に体が反応し、ソイツの右肩を後ろから掴んでしまった。
「待て。」
仕方なくそう言う。
その時、どうでもいい事だが、やけにコイツの肩が固い事に気付く。
服の上からだが、体は相当鍛えてられているのが分かる。
背も俺より少し高い。
ソイツは顔だけ俺の方に向け話し出した。
「なんや。金が欲しいんか?自分。アカンで!この金は俺が拾ったんや。」
そう言い放ち俺の手を払いのけた。
更に続けて言う。
「金っちゅうのはなぁ。汗水垂らして稼がな価値はわからんもんなんや。人間何かを目指してる姿は美しい。その先に得るもんがある・・・達成感と、ほんの少しの・・・・・・後悔や。」
―はぁっ?
お前は俺が倒した奴らから金を奪っただけだろう。
関西弁も気にいらないが、話の内容も意味が解らない。
俺を怒らせようとしているのか?
最初のコメントを投稿しよう!